散策会「河内つれづれ散歩」紀行 伏谷勝博
2023/05/31
同窓会では、第一回目の史蹟巡りのハイキングを去る5月21日(日)に実施した。道案内と説明役は副会長の私、伏谷勝博が担当。当日は午前10時半に美加の台駅に集合。参加者は14名。
美加の台住宅地の中を通って神ガ丘地区へ出、薬樹山延命寺に参拝。延命寺は傑僧の浄厳和尚が誕生し、高野山で修行の後に延命寺を再建、中興の祖と讃えられる。境内の本堂、位牌堂、釈迦堂に参拝の後、西国三十三所の札所になぞらえた地蔵尊を順に途中まで辿り、蓮池へと降りてきた。蓮池から弘法大師お手植えと伝わる天然記念物指定の「夕照の楓(ゆうばえのもみじ)」前へとやってきた。隣の宝物館と鐘樓横を通って山門前へと帰ってきた。
延命寺から7〜800m坂道を登って私の実家で昼食休憩とした。伏谷家を後に1時間ばかり杉や檜の山道を歩き、峠を二つ越えて観心寺赤門を渡って観心寺門前へ。ここで記念撮影の後境内へ。楠木正成学問所跡の中陰前に立った。正成公は少青年期、住職の滝覚坊の下で修行。兵法を加賀国の大江時親に学んだという。次いで、恩賜講堂と宝物館へ。恩賜講堂は昭和3年、昭和天皇の即位式用に建設され、終了後楠公縁の観心寺に下賜された建造物(重文指定)。宝物館では陸海軍大将奉納の絵画、正成着用の鎧、さまざまな公文書、香川勇氏建造の三重の塔、平安期の仏像(多くが重文指定)などが展示されていた。
次いで本堂前へ。本堂は鎌倉時代の代表で国宝指定。本尊は如意輪観音像。文化財保護法が制定された時、最初に国宝に指定された仏教美術の最高峰。本堂の東側に楠公建掛けの塔(重文指定)がたたずみ、更に東側に開山堂と楠公首塚が安置されていた。開山堂には弘法大師空海と道興大師実恵が祀られており、首塚の前では奇しくも午前中に楠公祭が執り行われたばかりだった。再び山門前に帰ってきて、今回の史蹟巡りのハイキングは解散となった。
文:伏谷勝博(9期 同窓会副会長)