富田林中学・高等学校
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2024.04.08

行事

【高校長】始業式を実施しました

 4月8日は始業式です。日頃、本校には制服登校の習慣がありませんが、入学式や始業式等は制服登校となっています。これまで、富田林高校の制服は学ランとセーラー服でしたが、昨年度から併設の富田林中学校にブレザータイプの制服が追加されたことを受け、本年度から高校でもブレザータイプの購入を認めるようになりました。その結果、本年度入学の79期生は男女ともブレザータイプの制服を購入した生徒が少なくなく、今年の始業式は新旧の制服が混在する形になりました。時代の流れを感じつつ、ここでもまた、新たな富田林高校の歴史の始まりを感じました。

 私は、新しい年度の始まりを機に、ヘーゲルの言葉を引用しながら富高生に期待することをお話したところ、話の間中、何人もの生徒が顔をあげ、頷きながら聞いてくれていました。以下に、始業式での話を掲載します。

 

令和6年度 始業式講話

 皆さん、おはようございます。高校校長の田中です。高校2年生、3年生が全員顔を合わせるのは、約3週間ぶりかと思います。学校が休みの間、学習習慣は維持できていたでしょうか?体調はいかがですか?今日は、主に高校生に向けた話になりますが、中学生の皆さんも何年か後の自分に引き付けて、我がこととして聞いてください。

 昨年度、在校生の皆さんには、事有るごとに、ウォルト・ディズニーの「考えなさい。調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。」という言葉を紹介し、多くの知識や技能を身に付け、それをベースに深く考え、熟考することで、皆さん自身が一生かけて進み行く先にある将来の夢を、ぜひ本校で掴んでほしいとお願いをしました。その思いは今年も変わりませんが、この思いが皆さんに深く伝わることを祈念して、今年は18世紀のドイツ観念論を代表する哲学者ヘーゲルの言葉を皆さんと共有したいと思います。

「世の中のどんな偉業も情熱なしには成就されなかった」(武市健人訳 岩波文庫)

この著書の中でヘーゲルは、情熱という言葉を使っています。そして、情熱という言葉を次のように定義しています。

「個人全体の中に流れている意欲の全脈管をあげて、一つの対象に没頭し、その個人のすべての欲望と力とをその目的に集中させるものであるかぎり、われわれはこのような関心を情熱と呼ぶのである」。ここで言われている「個人のすべての欲望と力とを」集中させる目的というのは、つまりは皆さんが将来成りたい自分、就きたい仕事、実現したい夢と同じものだと思います。皆さんには、今日からの本校での学習活動を通じて、将来の成りたい自分に出会ってほしいと思っています。

 

 さて、今日から新学期です。1年生は、5日に入学式を終えたばかりで、高校での新たな生活への期待と不安で胸がいっぱいになっていると思います。中進生も高進生も、本校での高校生活は、中学校までとは異なります。今日から始まる高校生活は、これまで皆さんが経験してきた以上に、多くの学習の機会を与えてくれると思います。部活動も盛んです。何事もスタートダッシュが大切です。機会を逃さず、何事にも積極的にチャレンジしてください。

 2年生は、過ごし方が一番難しい学年です。学校にも慣れてきて、勉強に一番集中して取り組むことのできる時期であり、部活動等においても中心的な役割を担ってもらうことになると思います。一方で、2年生は中弛みしやすいと、よく言われます。決して良い言葉ではありませんが、今日は敢えて使っています。例年、2年生の生徒の中に、家庭での学習時間が減少する人が多くなるからです。しかし、それでは2年後に困ります。2年生の11月には第1志望届を提出してもらうことになっています。この時点で自分が将来成りたい自分に何らかの形で出会えることができれば、皆さんは驚くほど強くなることができると思います。将来成りたい自分になるために、学力が必要だと感じた人は、自ら勉強するようになります。そうすることが自分にとって一番自然なことだからです。意志が強いとか、弱いとかいうことではありません。勉強する意味を見出しているかどうかの違いです。将来成りたい自分に出会えているかどうかは、その後の皆さんの時間の過ごし方を大きく変える可能性があります。つまり、2年生の過ごし方は、今後の皆さんの高校生活やその後の進路実現に大きく影響するということです。心してください。

 3年生は、いよいよ進路実現に向けて、ラストスパートの時期に入ります。もはや学習のペース配分などと言ってはいられません。ここが頑張りどころです。遮二無二進んでください。部活動等においても最後の試合や発表会、コンテストやコンクールなど、高校生活3年間の締めの時期を迎えます。決して悔いを残すことがないよう、やるべきことは途中で妥協することなく精いっぱい取り組み、最後には第1志望の進路を掴み取ってほしいと思います。私は、皆さんなら必ずできると信じています。

 それでは皆さん、一人ひとり各人の場所から富高生らしく「ぜんぶ全力」で、共に一年間頑張っていきましょう。