6年間の学び
見える化システム
見える化システム
本校では、志望大学に対して、現時点での自分の学力がどの程度なのか(合格可能性はどうなのか)判断できるように、「富高見える化システム」というソフトを開発しました。このシステムには、これまでの本校卒業生の大学受験結果と現役時に受験した模擬試験(ベネッセスタディサポート・進研模試・河合塾全統模試)の偏差値が蓄積されています。生徒は、大学に合格した先輩たちの実力(それぞれの模試成績)と、自分の模試結果を比較しながら、志望大学・学部の合否可能性を探ることができます。
※志望大学は神戸大学・工学部となっています。
本校生徒の富田林翔くんのこれまでの模試結果(全国偏差値)が◆で示されています。グラフは神大・工に合格した人たち(全国)のそれぞれの模試の結果で、赤線はその平均点(偏差値)、青線は富高生で合格した人の平均、黄線は富高生で合格したうちの最低を示しています。つまり、自分の◆が赤線と黄線の間の水色域に入っていれば受験挑戦域、赤線の上の黄域に入っていれば合格有望域と判断できます。そして黄色域のさらに上に◆があれば、志望先をより難度の高い大学に勧めることもあります。各担任はこのシステムを活用しながら、生徒それぞれに応じた進路指導を行っています。
また、このシステムをインストールしたタブレットPCを進路資料室(コンパスルーム)に配備し、生徒たちは自分のIDとパスワードを入力することで自由に閲覧できるようにしています。このように、富高「見える化」システムは、客観的データを提供することで、生徒たちが各自の目標に向かって努力することを促す、富田林高校の特色ある学習サポートシステムです。
生徒手帳
本校は独自の生徒手帳を作成しています。生徒たちはその手帳に日々の学習時間を記録し、毎月、学年ごとに生徒の学習時間を集計し、進路通信でフィードバックすることで、勉強時間を確保しようとする意識が高まるようです。また、この手帳には学校の年間行事が印刷されていて、スケジュールを管理するためにも役立つため、生徒たちに好評です。
ICT設備
一人ひとりに丁寧な学習指導をすすめています。
全ホームルーム教室にICT機器が設置され、わかりやすい授業を行っています。また、生徒の発表用のツールとしても活用しています。
卒業生の声
57期卒業生
皆さんの中には、「自分の将来の夢がわからない」という方が大勢いると思います。
私は、そういう方にこそ、是非、勉強を頑張って欲しいと思っています。
私は、勉強とは、将来、自分の夢を見つけたときに手遅れにならないように高校生の間にできる唯一の準備であって、学歴とは、「努力ができること」の証明であり、自分の選択肢や可能性を広げてくれるものと考えています。
また、一生懸命努力して入った大学では、優秀で尊敬できる友人たちと、素晴らしい刺激に満ちた日々を送ることができます。
私は、富田林高校在学中、先生方に、当初から「京都大学に行きたい」と伝えていました。すると、先生方はいろいろな勉強方法や制度について積極的に調べて教えてくれました。富高生活を楽しみながら最後まで妥協せずに挑むことができたのは、先生方のおかげだと思っています。
弁護士という仕事はとても面白いです。皆さんも是非、富田林高校で目標に向かって、全力で勉強を頑張ってみてください。応援しています。
62期卒業生
僕は富田林高校を卒業後、2年間の浪人生活を経て大阪大学医学部に進学し、現在はとある病院で外科専攻医をしています。僕が医師を志したのは高校3年生の10月ごろで、それまでは京都教育大学志望でした。ふとしたきっかけで医師を志しましたが、多くの人に反対されました。現実的に僕の成績では医学部は無理だったからです。高校生活をしていると、将来の職業について嫌でも考える時がきますが、おそらくみなさんは多くの選択肢を無意識に除外しているのではないかと思います。「自分にとっての現実的な選択肢」の範疇から進路を決める人がほとんどだと思います。しかしもし何かのきっかけで無謀でも何かを志したなら、「非現実的な選択肢」だとしても最初から諦める必要はありません。もちろん努力が必要ですが、何とかなることも多いですよ。みなさんの夢が叶うことを遠くから祈っています。
69期卒業生
私の高校生活は、勉強、部活動、行事に「全部全力」な3年間でした。
部活動は、ダンス部に所属していました。明るく思いやりのある部員に恵まれ、毎日練習場所に行くのが本当に楽しみでした。ダンス部では、大会や文化祭等での発表に向けて、曲探しから振り付け、衣装選びまで自分たちで行います。みんなで力を合わせて切磋琢磨した思い出は、私の大切な宝物です。
進路選択の際、私は「言語が好き。海外の文化についてもっと知りたい。」という「想い」を持っていました。富田林高校の先生方は、私の「想い」を後押ししてくださり、大学受験に向けて手厚くサポートしてくださいました。
現在は、大学でドイツ語を専攻し、言語を切り口にドイツ語圏の社会や文化について学んでいます。ドイツ交換留学も経験し、たくさんの人々との出会いの中で、自分の視野がぐっと広がるのを感じました。
富田林高校で学んだ、「何事も全力で取り組む姿勢」を忘れず、これからも様々なことに挑戦してゆきたいです。
72期卒業生
私は1年の途中まで特に成績が良かったわけではありませんでした。勉強に力を入れ始めたのが1年の終わりの頃でした。2年からHDクラス(現在のGE)という選抜クラスと標準クラスに分かれるのですが、その選考に落ちたことがきっかけでした。この悔しさから、HD(GE)クラスの人たちに負けないよう頑張ろうと思えました。
2年からは定期テストでクラス上位を維持し続けました。具体的な勉強法としては、寝る前に教科書や単語帳などを見て復習することを心がけました。寝ている間に記憶が整理されるといわれているので毎日継続するようにしました。横になりながらできるので負担は軽かったです。
高校3年の5月でクラブ活動を引退し、そこから受験勉強を本格的に意識しました。それまでに勉強の習慣がついていたのでそこまで苦痛ではありませんでした。初めは大阪市立大学を志望していましたが、模試の結果が良かったので先生に神戸大学を受けてみてはと提案されました。これで自信がついてさらに勉強に集中できました。
3年になると、講習でセンター試験や2次試験がどのようなものか体感できました。過去問を解き始めたのは夏休みからでした。最初は出来なくていいので、どのような問題が出されるのかを確認するだけで十分だと思います。センター試験後、受験校が確定すると、大学別の講習がありました。そこで神戸大学の国語を約10年分解き、解説と採点を受けました。このおかげで問題に慣れることができました。結果は不合格でしたが、浪人する上で必要な基礎学力と勉強する体力が身についたと思います。最初は全然学力が届いていなくても、毎日継続すれば案外なんとかなります。後輩の皆さんには高い目標をもって、努力して欲しいと思います。また、高校時代は、勉強だけではなく、文化祭や体育祭などの行事も満喫して欲しいです。私も文化祭の劇で、みんなで一つのものを完成させる楽しさを学びました。ぜひ富田林高校で、勉強もクラブも行事も楽しんで欲しいです。
73期卒業生
富田林高校を表す言葉は、「ぜんぶ全力」です。私はこの言葉がとても好きで、その言葉通り勉強・部活動・行事・その他の活動すべてに全力で取り組むことができる環境が富田林高校にはあると思います。
たとえば、コロナウイルスの影響で例年とは全く違う一年間となった高校最後の一年、最後まで悔いなく部活動をやり切って引退することができ、さらに最高の文化祭・体育祭を過ごせたのは、富田林高校だったからだと思います。また、高校の研修・修学旅行で海外を訪れ、様々な発見・学び・体験ができたことは現在の進路に大きくつながりました。
忙しく、上手くいかなかったり悩んだりすることもたくさんありましたが、それでも頑張れたのは仲良くしてくれた友達との楽しい毎日があったからだと思います。そんな友達ができたことだけでも、富田林高校に通えてよかったなと思います。
同じ立場や目標、思いを持った友達、自分たちを全力でサポートし教えてくださる先生方と色々な活動に全力で取り組めた3年間は一生忘れられないものになりました。ぜひ多くの人に楽しく、大切な高校生活を富田林高校で過ごしてもらいたいと思います。
73期卒業生
私は、富田林高校の委員会活動を通して、たくさんのことを学びました。私は、高校1年生の頃から、体育祭準備委員会に入り、高校3年生では、体育祭準備委員会の委員長と文化祭準備委員会の副委員長を経験しました。
特に高校3年生の時、コロナウイルスの影響でできることが限られた中で、生徒全員が楽しめるように考えるのは、本当に大変でした。私たちが、たくさん考えて感染対策などをしっかりしても通らない企画、全校生徒にアンケートを取って、賛成が9割を占めるのに伝わらない気持ち。正直、心が折れそうになりました。
しかし、委員会の仲間やたくさんの友達、先生方が一緒になって考えてくれ、本番まで頑張りぬくことができました。そして、行事を楽しむたくさんの笑顔や「ありがとう」と声をかけられ、「自分がしてきたことは無駄じゃなかった。」と心から思うことができました。
楽しいことも苦しいことも経験できた富田林高校で過ごした日々は私にとってかけがえのない時間です。
卒業生紹介
岸本忠三
さん
(免疫学者、大阪大学特任教授)
海外経験を経て同大学細胞工学センター教授、医学部内科学教授、医学部長、1997年に大学総長に就任。2003年より名誉教授、現在大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授。免疫学の権威であり、種々の生理現象や炎症・免疫疾患の発症メカニズムに関与している糖タンパク質である「インターロイキン6(IL-6)」の発見で知られる。このIL-6の働きを抑えるアクテムラが、今、新型コロナウィルスの治療薬として脚光を浴びています。
国内では1998年に文化勲章、海外では2009年に日本人初となるクラフォード賞受賞、2017年にはキング・ファイサル国際賞、2020年Tang Prize受賞等国内外において数々の賞を受賞されています。
長い間、人類を苦しませている難病の「リウマチ」を克服する薬を開発したのが富田林高校の大先輩、岸本忠三先生です。日本初の免疫治療薬アクテムラを苦労の末に開発した岸本先生は、「10年後には、関節リウマチで車いすの生活を余儀なくされる人がいなくなるだろう」と、世界中から称えられました。先生は、現在も大阪大学で学生に教えています。
「『何でやろ?』という素朴な疑問が、研究の原動力だ」「自分が開発した薬で難病と言われた病気も治っていく。これこそ自分が生きている証やなと思う。」とおっしゃっています。そして、新しい世代に期待をかけて、新しい富田林中高一貫校を応援していただいています。岸本先生こそ、私たちのめざす「探究」と「貢献」の実践者です。
岸本先生の口癖「社会のためになる人になれ」を心に抱き、この富田林中学校・高等学校で深い「学び」を実践しましょう。未来に挑戦!