2024.10.02
【高校長】後期始業式と部活動等表彰を行いました
10月1日(火)、後期始業式と部活動等表彰を行いました。いよいよ本年度後半の始まりで、3年生にとっては受験が本格化するシーズンに入っていきます。今学期も各学年の生徒がそれぞれの場所から、十全に力を発揮してほしいという思いをこめて、始業式で話をしました。「ぜんぶ全力」の富高生、活躍を期待しています!
皆さん、おはようございます。高校校長の田中です。先週は前期の期末考査が行われていました。考査中は、電車の中で教科書や副読本を開いて勉強している生徒を日頃より多く目にしました。夜遅くまで勉強していたのか、眠そうな目をこすりながら登校する生徒の姿も見受けられました。皆さん、よく頑張っています。今日の体調は如何でしょうか。
今年は秋休みを活用して、富田林中学校3年生と高校1年生の希望者を対象に東京キャンパスツアーを実施しました。このツアーでは、現役の東大生や地方都市から東京の大学に進学しその後社会人として東京で活躍しているという先輩方と意見交換会を行ったり、東京大学を見学し安田講堂や赤門の前で記念撮影を行ったりしました。それに加え、自ら会社を興し起業家精神、アントレプレナーシップを体現している方々と交流したり、JAXAで最先端の宇宙技術に触れたりするなかで、参加した生徒の皆さんは様々な刺激を受けたものと思います。このツアーは、生徒の皆さんが将来の夢を大きく持ち、自分の可能性を広げてくれることを目的に計画しました。皆さんが仮に大阪で生まれ育ったとしても、夢の実現のためには、高校卒業後に進む進路が必ずしも大阪府内や関西圏の学校や会社である必要はありません。本校の教育目標はグローカルリーダーの育成です。グローカルリーダーとは、地域に根ざしながら世界的な視野を持ち、世界に貢献できる人材ということです。皆さんには日本全体、いや世界に広く目を向けてほしいと思っています。そのうえで、もう一つ皆さんに意識してほしいのは、本校がグローカル人材という言い方はしておらず、そこにリーダーという言葉を使っているという点です。リーダーとは、何らかの形で他の人に対して指導的な立場に立つ人をさす言葉です。その実現のためには、大きな夢と人一倍の努力が求められるのは当然のことで、それを苦しいと思ってはいけません。むしろ、楽しいと感じてください。私は、皆さんが通う富田林高校はそういう学校であってほしいと思っています。
さて今日は後期の始業式です。今からは、この10月以降の皆さんの学校生活に期待することについてお話ししたいと思います。中学生の皆さんも、数年後の自分の姿を思い描きながら聞いてください。
まずは1年生の皆さん。皆さんは7月のHRで学部学科、学問調べを行ったと思います。本校では高校入学後の早い段階から現時点での職業適性等を診断し、それを2年生以降の文系理系選択や科目選択等でも活用することにしています。今時点でも、皆さんには好きなことがあり、その延長線上に存在する仕事を意識することも大切ですが、一方で皆さんにとっての適性は、自分が全く意識していなかった、或いは存在すら知らなかった仕事の中にあるかもしれません。知らない仕事に就くことはできません。知らない大学や学部の合格をめざして努力することもできません。今は何よりも知ることが大切です。学年が進めば皆さん一人ひとりの望みも変わるかもしれません。世の中の産業構造や就職事情もめまぐるしく変化していくものと予測されます。だからこそ、皆さんに今必要なのは自らの視野を広げることです。学校生活のすべてに興味をもって取り組み、自分に必要な情報を常にアップデートするよう心掛けてください。
2年生の皆さんには、8月20日の全校集会で、将来の第1志望の進路を明確化していくことと、部活動や学校行事など学校生活全般に深く関ること、この2点が大切であると伝えました。皆さんには、日々の活動に「ぜんぶ全力」で取り組む中で、将来成りたい自分、将来就きたい仕事を見つけてほしいと思います。そして、そこから逆算しての第1志望の進路先、これに出会うことが出来れば、日々の学習活動は皆さんにとって意味あるものへと一気に変わります。今学期、皆さんから提出される第1志望届の内容が充実したものになっていることを願っています。
さて、3年生の皆さん。いよいよ大学入試が近付いてきました。既に始まっている人も居ると思います。9月12日に行われた合格ガイダンスでは3人の先輩から様々なお話がありましたが、例えば「誰だって不安いっぱい!自分の努力を信じて大丈夫!!しんどい時は泣いていい!!体調だけは気を付けて!!!!」という言葉がありました。「しんどい」時もあると思いますが、そんな時は信頼できる誰かに泣き言を聞いてもらうのもいいかもしれません。そしてもう一度立ち上がれば、それでいいと思います。別の先輩はこうも言っていました。「一年はあっという間!結果に関わらず、頑張った分だけ自分の力になるし、自信になるし、良い思い出になります!せっかくやし全力で挑んでみましょ!!!」受験勉強に費やした時間と努力は報われるのだろうかと考えると、誰でも不安になります。特に報われるかどうかの判断の基準が、合格できるかどうかの一事にかかっていると思い過ぎると、受験の世界には不合格者が必ずいる以上、努力しても報われなかった、努力は人を裏切るという思いにとらわれてしまうかもしれません。しかし、この先輩は、それは違うと言っていました。皆さんの頑張りというのは、受験の合否といった一面的な価値観で計ることのできるものではなく、将来、自分を支える大きな力を得るための、自分への先行投資のようなものだと思ってください。
合格ガイダンスの最後に、私は皆さんに対して「苦しい時は上り坂」と言いました。これは、ドイツの詩人であるシラーという人の言葉ですが、長く苦しい上り坂のその先には、見たことの無いような素晴らしい光景が待ってくれているものです。あの日来てくれた3人の先輩たちは一様に明るい表情で、毎日の学生生活が楽しいと言っていました。結果を恐れず、時々は休憩しながらでも、これからの約半年、勇気を持って皆さんそれぞれの上り坂を邁進してほしいと思います。心配しなくても大丈夫です。「ぜんぶ全力」の富高生なら、必ず乗り越えて大きな成果を掴んでくれると私は信じています。
「世の中のどんな偉業も情熱なしには成就されなかった。」今年、私がテーマに掲げるヘーゲルのこの言葉そのままに、皆さんには、それぞれの場所で情熱を傾けてほしいと思います。各学年の皆さんの学びが実りあるものになるよう、先生方も応援します。これからも一緒に頑張っていきましょう。