2024.11.18
【高校長】令和6年度地域公開授業を実施しました
11月15日(金)6、7時間目に令和6年度地域公開授業を実施しました。本校では従前から「確かな学力を育成する“授業・評価“サイクルづくり~思考力・判断力・表現力の育成のための教科指導と探究的アプローチの連結~」というテーマのもと、生徒が主体的に学ぼうとする力を育成することをねらいとして授業改善に取り組んでいます。本年度は本校の授業が、グローカル・リーダーの育成という本校の教育目標の実現のために必要な6つの力(「論理的思考力」「課題発見・解決能力」「社会貢献意識」「地域愛」「グローバルな視野」「コミュニケーション力」)の育成に適ったものになっているかという観点をあてて行いました。
今年の取組みでは、SSH事業の成果指標として本校独自に作成した「HEART(*1)」を一部改良し新たに構築した「授業版HEART(*2)」を全教員が意識することとしました。具体的には「授業版HEART」に設定された6つの資質能力の内、授業改革の研究テーマに比較的馴染み易いと考えられる3つ(「コミュニケーション力」「論理的思考力」「課題発見解決能力」)を研究指標として採用しました。
地域公開授業を参観していただいた東京学芸大学大学院の西村圭一教授からは、「探究を組み込んで、単元や節の指導計画をデザインできる」ことや、更に「教科固有の探究方法を身に付けさせることができる」よう指導することが大切だというご助言をいただきました。この方向性は、本校の授業がめざしている「教科指導と探究的アプローチの連結」というテーマを具体的に言い当てたもので、私は本校の授業各核の取組みが間違っていないことを確信し、大いに意を強くしました。今後とも、生徒の第1志望の進路実現のため、授業の改善に努めていきたいと思います。
*1 「HEART」とは
本校の教育目標が「グローカル・リーダー」の育成であることを踏まえ、SSH事業の研究開発目標は「グローカル・サイエンスリーダー」の育成としています。「HEART」とは「Hexagon Area Research in Tonko」の略で、「グローカル・サイエンスリーダー」の育成に必要な資質能力がどの程度育成されたのかを測定する本校独自の評価指標です。
この評価指標は、本校の「育みたい力」である6つの資質能力(「グローバルな視野」「コミュニケーション力」「論理的思考力」「課題発見解決能力」「社会貢献意識」「地域愛」)により構成しています。そして、これら6つの資質能力をより具体的に評価するため、それぞれを「意識調査」と「行動指標」の2つの観点に分割し、更にこれら2つの観点について各4項目の質問を設定することで得られる合計48項目の指標について、4件法による質問紙調査を行っています。
*2 「授業版HEART」とは
元々SSH事業の評価指標として開発した「HEART」は、文言等も探究活動と密接に関連したものとなっていたことから、本校教員から「授業との関連性がわかりにくいものもある」といった意見が聞かれました。そこで、授業との関連をより重視した形になるよう、従来の「HEART」の48項目の指標に一部改良を加え、新たに「授業版HEART」を開発しました。これにより「HEART」は、探究活動やSSH事業の目標達成だけではなく学校教育活動の中心である授業にも波及することとなり、生徒の学力向上に大きく寄与できるものとなりました。つまり、「HEART」とは、本校の教育目標とSSH事業の研究開発目標を具体化したものであり、本校におけるすべての教育活動で意識して取り組むべきものだと考えています。
今後は、「授業版HEART」を授業での評価指標として広く活用し、「授業」とSSH事業を中心とした「探究的アプローチ」の連結を起点に本校の教育目標の達成に向け邁進してまいります。