2023.10.06
【高校長】2年生が第1志望届を作成中です
10月5日(木)5時間目に2年生全員が岸本記念館のアゴラホールに集合し、進路指導部主導の取組みとして「第1志望届」の作成に向けてのオリエンテーションを受けました。「第1志望届」とは、高校2年生のこの時期に自分の将来に向けた志を立て、それを実現するための進路先を見つけることを目的に、生徒自身の手によって作成させているものです。オリエンテーションの概略は以下の通りです。
最初にこの半年間の振返りから始めました。家庭学習はルーティーン化しているか、必要な量の学習が確保できているか、定期テストや模擬試験のやり直しや弱点の言語化はできているか、苦手科目の改善は進んでいるか、自分が立てた計画に従って勉強しているか等について自己採点を行った後、高校に入学してから「成長したと思うこと」「課題だと思うこと」について各自記載してもらいます。
次に、行きたい大学のホームページにアクセスし「アドミッションポリシー」「カリキュラムポリシー」「ディプロマポリシー」を書き出し、自分の強みとマッチしているか、自分の興味関心に適っているか、卒業後はどんな仕事に就いて社会に貢献していきたいか等について考え、第1志望の大学を決めていきます。それが決まれば後は志望校合格に向けた戦略を練るだけです。共通テストの配点、個別試験の教科名と配点を確認した後、授業への取組み、自主学習の力点、部活や学校行事との両立や余暇を含めた時間管理の工夫など、次々にワークシートに書き込んでいきます。これらすべての内容を踏まえ、志望動機を書き上げた時点で「第1志望届」は完成です。
通常は45分間という短時間でこれだけの作業はできませんが、今回の取組みは2年生になってから進路HRの中で学部学科調べを続けてきたことが背景にあるからこそ可能になっています。大半の生徒は夏休み中に志望校をいくつかに絞り込み、オープンキャンパスで必要な情報を集めてきています。本日は、四年制大学進学に焦点を絞った内容になっていましたが、就職や専門学校への進学を希望する生徒向けの第1志望届も勿論用意されています。
「第1志望届」が完成するということは、生徒の夢、志が具体化し、言語化されることと同義です。私は時間の最後に「志ある者は、事(こと)竟(つひ)に成る」という『後漢書』の一節を紹介しました。これは、後漢王朝を建てた光武帝の言葉と言われており、固い意志をもって、自分自身の目標に向かって進む人は、どんな困難にあっても最後には事を成し遂げることができるという意味です。「志ある者は事竟に成る」という言葉は「ぜんぶ全力」の富高生にこそ似つかわしい言葉だと思っています。