2024.03.15
【高校長】令和5年度後期終業式を行いました
3月15日(金)、本年度最後の終業式を行いました。本校では、日頃は私服での登校が可能ですが、式典の行われる日は制服で登校することとなっています。体育館に1、2年生全員が制服姿で集合することは年に数回しかありませんので、却って新鮮な感じがしました。生徒たちは真剣に式辞に耳を傾けてくれ、その後行われた部活動等の表彰の際には温かい拍手を送って各生徒の健闘をたたえていました。今回も良い式ができたと思います。以下に、式辞を掲載します。
令和5年度後期終業式式辞
皆さん、おはようございます。校長の田中です。クラスの仲間全員が一堂に会するのは約1週間ぶりでしょうか。高校入試があり、授業は休みでしたが、その間も学校で実施した講習に参加したり、自宅や図書館等で自習に努めたりして、各自学習のペースは維持できたでしょうか。部活動に所属している生徒は力が鈍らないよう、自主的なトレーニングに励んでくれていたでしょうか。何日かの連続した休みの間に生活のペースを乱したり、基本的な生活習慣すら維持できなかったりというような人はいないと思いますが、仮に、いたとすればそれは困ります。今日を境にもう一度自分を立て直してください。
令和5年度の学校生活は、新型コロナウイルス感染症による制限が殆どなく、皆さんは「ぜんぶ全力」を合言葉に学校行事や部活動を十分に謳歌できたと思います。だとすれば、「ぜんぶ全力」が富高生の合言葉なのですから、学習活動にも全力で取り組んでほしいと思います。
さて、今年は学期の区切りごとに、繰り返し皆さんにウォルト・ディズニーの言葉を紹介してきました。
「考えなさい。調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。」
私がこの言葉を紹介するのは、これから先、皆さんは日々の生活の中で、正解が一つでない問いへの答えについて「考える」ことを求められる、そんな場面に何度も出くわすだろうと思うからです。例えば、昭和の昔であれば、日本は高度経済成長期などと言われ、私の周囲でも多くの人達が同じ価値観を共有し、同じ生き方を求めることで一生安泰に暮らしていけるという幻想が、まだ確かに存在していたように思います。言い方を変えれば、自分自身の力で将来の夢を描かなくても、時代がそれを用意してくれた、だからこそ多くの人が猛烈サラリーマンとして働くことに喜びと満足を感じることができたのだと思います。しかし、皆さんが活躍するこれからの時代は、そうはいきません。皆さんの人生には、決まったレールは敷かれていないと考えるべきです。つまり、自分が一生かけて進み行く先にある将来の夢は、自分で掴まないと誰も教えてくれないということです。その為に、皆さんには深く「考える」こと、「熟考する」ことが求められているのです。
将来成りたい自分と出会った時、人は驚くほど強くなるものです。その自分の実現のために、例えば学力が必要だと心底から合点した人は、人に言われなくても自分で勉強します、いや、勉強せずにはいられなくなります。これが強さの秘密です。意志が強いとか弱いとか、勉強が好きとか嫌いとか、そんなこととは殆ど関係ありません。私はこの一年間ウォルト・ディズニーの言葉を借りて、皆さんには、こうした強さを身に付けてほしいと伝え続けてきたつもりです。その声に応えるように、今年、全力で頑張っている生徒に何人も出会えたことは、私にとって大きな喜びでした。これからも皆さんには「ぜんぶ全力」の姿を見せてほしいと思います。
昨年の12月にも言いましたが、今年の干支は「甲辰(きのえたつ)」です。「甲辰(きのえたつ)」とは、十干十二支の組合せにより、皆さんが「第1志望の進路実現に向けて躍動し飛躍できる」年になるという暗示です。「ぜんぶ全力」の皆さんならば、必ずそのようにできると私は信じています。
次に皆さん全員が登校するのは4月8日になりますが、令和6年度が、皆さんの「躍動し飛躍できる」1年となるよう、春休みを大切に過ごしてください。可能性を信じ、未来に挑戦し、自らの価値を高めるために努力を続けた時間は、決して皆さんを裏切ることはありません。4月8日には、皆さんが一回り大きくなった姿を見せてくれることを楽しみにしています。