４月10日（月）、Ｒ５年度前期始業式を行いました。今回までは放送と画像配信で行うため、ビデオカメラに向かって話すことになりました。新型コロナウイルス感染症の影響で、すっかり馴れっこになっていますが、生徒と対面して話すことができないというのは、やはり寂しいものです。それでも、校長として心を込めてメッセージを送ったつもりです。生徒の皆さんが少しでも何かを感じてくれればと思っています。

令和５年度　前期始業式にて

　皆さん、おはようございます。この４月から富田林高校の校長として着任しました、田中肇と申します。富田林高校は私の母校でもあります。第33期生として本校で教えを受けてから40年以上の年月を経て、校長として赴任できたことを大変嬉しく思っています。皆さんと共に、これからより良い富高を作っていければと思います。よろしくお願いします。

　さて、本校は120年以上の歴史を誇る伝統校ですが、現在の富高の姿は私が学んだころの富高とはかなり変わっています。現在の校舎は平成11年に竣工したものと聞いていますが、私たちが生徒のころとは違う場所に建っています。平成29年からは大阪府立で初の併設型中高一貫校となりました。これらの変化を含む様々な成果を基盤に、現在本校ではThink Globally,Act Locally、「地球的視野に立ち、地域や国のことを考え行動し、国際社会に貢献できるグローカル・リーダーの育成」という大きな目標を掲げていることは、皆さんよくご存じのことと思います。そこで、皆さんがこの目標に日々挑戦できるよう、今日は皆さんに対し、指針としてほしい一つの言葉を送りたいと思います。それは、皆さんもよく知るディズニーランドの創始者であるウォルト・ディズニーが残した言葉です。

　「考えなさい。調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。」

　これから皆さんは、授業において、或いは日々の生活の中で、正解が一つでない問いに対する答えを出さないといけない場面に何度も出くわすだろうと思います。その時、より納得感のある答えを導き出すために、皆さんに求められるのが「考えなさい。」ということです。しかし、考えることは簡単なことではありません。より良く考えるためには、その土台として正確で幅広い知識や技能が必要になることは言うまでもありません。だからこそ、ディズニーは「考えなさい」と言った後にさらに言葉を続けるのです。「調査し、探求し、問いかけ」なさい、と。そのようにして得られた知識や技能があって初めて「熟考する」、つまり考えることができるようになるのです。皆さん、もう一度言います。

　「考えなさい。調査し、探求し、問いかけ、熟考するのです。」

　一昨年度から導入された大学入学共通テストにおいても、思考力・判断力・表現力が試される問題が多く出題されています。今日から新学期です。学習面においては、授業や講習等を大切にして、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を身につけてほしいと思います。

　富田林高校は、皆さんの高校生活がより実り多いものになるよう皆さんを支えます。皆さんもそうした先生方の思いに応えてください。今日から一緒に頑張っていきましょう。