富田林中学・高等学校
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2023.10.02

行事

【高校長】令和5年度後期始業式を行いました

 本日の1時間目、後期始業式を行いました。本校では日頃、私服での登校が許されていますが、式の日だけは制服で登校することになっています。体育館に集合した生徒が全員制服を着用しているのは約半年ぶりで、却って新鮮な光景でした。私は校長としての思いを以下の通り伝えました。生徒たちはいつもと変わらず真剣な面持ちで話を聞いてくれました。

 その後、引き続いて表彰伝達を行いました。今回は、全国大会で活躍した生徒も含め、沢山の成果を披露することができ、生徒たちはそれぞれ誇らしげにしていました。これからも「ぜんぶ全力」で頑張ってほしいと思います。

 

令和5年度後期始業式にむけて

 皆さん、おはようございます。高校校長の田中です。先週は前期の期末考査が行われていました。考査中は夜遅くまで勉強していたのか、眠そうな目をこすりながら登校する生徒の姿が見受けられましたが、皆さん、今日の体調は如何でしょうか。

 短い秋休みを経て本日は後期の始業式です。早いもので、令和5年度になってから、既に半年が経過しました。今日は、この半年間を振り返りつつ、後期からの皆さんの学校生活に期待することについてお話ししたいと思います。中学生の皆さんも、数年後の自分の姿を思い描きながら聞いてください。

 

 今年の6月に行われた文化祭のテーマは「蒼空星彩」、8月の体育祭のスローガンは「水面凌駕」でした。「蒼空星彩」には「真昼の蒼い空の中にあっても、強い輝きを放つ星がその彩を失うことがないように、生徒一人ひとりが自分らしく輝ける文化祭にしたい」という思いがありました。そして「水面凌駕」には「自分の本気を飛び超えて、みんなで一緒に限界を越えていこう」という意気込みが籠められていました。これら学校行事での皆さんの姿を見ながら、私は富高生の良いところ、それはやはり「ぜんぶ全力」という言葉に集約されていると思いました。後期にも修学旅行やペナントなど大きな行事が予定されており、部活動の公式戦も行われます。様々な活動の中で、富高生がどのような姿を見せてくれるのか、今から楽しみですが、「ぜんぶ全力」の富高生への期待は、勿論、学校行事や部活動だけに留まるものではありません。

 まずは1年生。皆さんは、例えば4月に行われた「グローカル探求Ⅰ」のオリエンテーションで講師の小川先生が、大阪大学の入学者選抜の募集要項の一節を紹介されていたことを覚えているでしょうか。その一節とは「従来の筆記試験の成績だけでなく、高等学校での学びや活動の経歴も考慮し、志願者の意欲や能力などを多面的・総合的に評価する」というものでした。この中の筆記試験の成績「だけでなく」という部分が大切です。「筆記試験の成績」は大切なのです。その成績の元となるのは学校の授業で身に付ける知識や技能です。これがなければ肝心の「意欲や能力」も評価されるレベルにまで到達しません。つまり、大学入試においては、知識や技能の習得があって初めて勝負の土俵に上がることができるということです。皆さんには今のうちに多くの知識や技能を習得し、それらを活用して「調査し、探究し、問いかけ、熟考する」そのことにより、本物の学力を身に付けられるよう、日々努力を続けてほしいと思います。

 2年生の皆さんは、5月に実施した進路講演会で外部講師の方が、皆さんに投げかけた質問、則ち「将来の夢や挑戦してみたいことはありますか。」という質問に対して、皆さんの殆ど誰も反応しなかったということを覚えているでしょうか。私はその時、高校2年生の5月では将来に対する朧げな夢はあっても、まだ確固たるものにはなっていないのかなと思いましたが、その時講師の先生は仰いました。「人は知らないことをやりたいと思うことはできない。」と。また「知らない大学に行きたいと思うことはできない。」とも仰っていました。将にその通りだからこそ、私は7月の集会で、2年生には勉強だけではなく、いろいろなことと深くかかわり、一心不乱に励んでほしいと言いました。本校では2年生を「中励み」の年と位置付けています。日々の学習や部活動に励みつつ、様々なツールを使って将来なりたい自分について「調査し、探求し、問いかけ、熟考するのです。」そして、この「中励み」の時期も半分を過ぎた今年の11月に作成される「第1志望届」には、それぞれに野心的で、熱い思いに満ちた皆さんの夢が盛り込まれることを期待しています。

 さて、3年生。愈々大学入試が近付いてきました。2週間前に行われた合格ガイダンスでは3人の先輩から様々なお話がありましたが、そこでは例えば「入試が終わるまで受験モードを維持すれば、学力は最後まで確実に伸びる。模試の結果に一喜一憂せず、学力の弱点把握に使えばよい。」「受験勉強を続けていると不安な気持ちになることもあるが、学校には支えてくれる人が沢山いるので、みんなで力を合わせて頑張ってほしい。」といった、後輩である皆さんへの思いやりに満ちた話がありました。いずれも尊敬すべき先輩達ですが、話していたのは皆さんよりもたった1歳年上なだけの青年達です。この日私が皆さんに言ったことは覚えてくれているでしょうか。「尊敬の気持ちだけでなく、自分にもできる、自分ならもっとできるという気持ちでお話を聞いてほしい。」と私は言いました。そして、3人の話の中で私の心に最も印象深く残ったのは、一人の先輩がサラリと言ってのけた言葉「受験で不安な気持ちになど何故なるのか。そんな暇があれば勉強すればいい。」というものでした。皆さんの間から「凄すぎる。」という声が聞こえてきましたが、必ずしもそういうことではありません。それは、不安を乗り越えるには不安の元を断ち切るしかないからです。あの先輩も受験に関わる不安を感じていたからこそ、そしてその不安から逃げずに努力したからこそ、あのように明快で、きっぱりとした発言ができるのだろうと思います。このような素晴らしい先輩達の背中を見せてもらえる皆さんは幸せ者です。皆さんも、その背中を追いかけるために、これからも引き続き日々の授業の中で「考えなさい。調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。」というウォルト・ディズニーの言葉を胸に学習に励んでください。大丈夫ですよ。「ぜんぶ全力」の富高生になら、必ずできると私は信じています。

 各学年における学習が実りあるものになるよう、先生方も応援しています。皆さん、これからも一緒に頑張っていきましょう。